如何にして彼は冒険者を名乗るようになったか

白く鋭い風が、襤褸きれに包まれた体を斬る。 切った額から流れる紅が、ぽたり、ぽたりと雪へと落ちてゆく。――クソッたれが。まだ幼く柔らかい手で、拾った角材を握りしめ。ずり落ちそうになるソレを背負いなおす。 そして視界を滲ませる紅を乱暴に拭い、内心で毒づいた。 身のこなしには自信が有った。 大人だろうと、並…