遠い星空の前日談(プリクエル)-2

夜の森は、どこか神秘的な香りがする気がした。 木の葉から漏れる月の光が、柔らかに辺りを照らしている。 二人分の足音に、風が木々を揺らす音。何でもない森の景色が、何だか特別な物に思えてくる。 無性に楽しくなってきて、彼の手を放すとそのまま駆けだしてみた。 おい、と少し慌てたような声。ちょっと離れた所で、…