明日も天気になーあれ!

主にQuestNotesやらTRPGやらをやっている人

再会と旅立ち

パチパチ、と薪が爆ぜる音が響く。
久々に再開した嘗ての戦友は、酷くくたびれて居るように見えた。



溜め息と共に空を見上げる。
【闇】に飲まれつつあるこの世界の中。月は変わる事無く、静かに俺達を照らしていた。



「・・・・・・里が、飲まれたんだ」



ぽつり、と。掠れた声で、そいつは溢した。
蒼髪の、耳長族の男。
数年前、俺が冒険者だった頃、何度も冒険を共にしたそいつは、弓に体を預けるようにして俯いて居る。



「突然、闇が噴き出して。・・・少しでも、皆を逃がそうと足掻いたは良い物の。結果は、この様だ」

「破壊神(ルドラ)の名を貰っておきながら、結局。掬いあげたのは、己の身だけと来た。・・・名折れも、良い所だな」


くく、と乾いた笑いを溢すそいつ。
そうして再び、辺りには焚火の音だけが満ちた。


荷物袋から酒瓶を取り出し、二人分のカップへと注ぐ。
片方を無言で差し出し、自分の分を一息に煽る。

暫く遅れて、ルドラはゆっくりと啜り始めた。



二杯目を注ぎつつ言う。

「・・・俺さ。旅に出ようと思うんだ。・・・闇を何とかする、手掛かりを見つけに」

ピクリ、と長い耳が動く。
数瞬の後、こちらを見上げるそいつの目は赤く、しかしはっきりと此方を見据えていた。



「まあ、こうやって騎士になったワケだがな?このままじゃ領地とか、あと一応ほら、国に仕えてるワケで。…このままじゃ、全部呑まれっちまうかも知れんし、さ」

「そうなる前に足掻いてみるってーか、こう、止めて見せる!・・・って言えりゃあ格好も付くんだけどな。・・・悔しいじゃんか、このままじゃ」

威勢よく始めたは良い物の。見栄を張り過ぎただろうか・・・なんて、頭を掻きながら、それでも最後まで言う。

「だから、さ。…もう一回、組もうぜ。手ェ貸してくれよ。…お前の弓の腕は、良く知ってる」



三度、空気は静寂に包まれた。見ればもう、空の端が白み始めている。

手早く荷物を纏めていく。装備を軽く点検し、問題が無い事を確かめ焚火を消す。

後はもう、行くだけだ。



そのまま、明けて行く空を見つめる。

「……そう、だな。再び、共に行く時が来たかもしれない」

「微力を尽くそう。この弓、お前に預ける」

響いた声はもう、掠れた物では無くて。懐かしい、力強い響きだった。

唇の端を釣り上げ、朝焼けの空へと歩き出す。

響く足音は二人分。



これが、俺の旅の始まりだった。


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【南/入手/探索1】レイ@南は、以前語り合ったクールな狩人と再会した。「共に行く時が来たかもしれない」 所有していないなら《仲間:必中の狩人》を取得してよい。取得しないなら伝説P+5。




何だかTL見てて楽しそうだったので初めて見た。
一応簡単なキャラ説

主人公:レイ 《人間:騎士》
元はQuesutNotesというゲームの自PC。騎士志望の冒険者だったが、晴れて騎士となった後に世界が闇に飲まれだした為旅に出る。
QuesuNotesの元キャラとは平行世界の同一人物、といった体。

仲間:ルドラ《仲間:必中の狩人》
同じくQNの自PC。この世界では闇に里が飲まれたため、嘗ての戦友の元へと逃れてきたという設定。QN世界では影が薄いけれど、片道世界では初期仲間なのも有って出番多めになる・・・かもしれない